名簿は生命線です
一度でも選挙中の陣営に関わったことがある人は「選挙における名簿の大切さ」について感じた事があるのではないでしょうか?もはや大切というのを通り越して、名簿は陣営そのものといってもいいくらいです。選挙に強い陣営の名簿をいくつか拝見させて頂きましたが、いずれの事務所も名簿の量と質がずば抜けて充実しています。
名簿の量を増やす
名簿は、主に後援会または支援者の方々の名簿と、あるいはそれらが見込まれる方々のデータベースになります。つまり、表に立って応援して頂ける方々、表には立てないけど支持をして頂ける方々のデータベースともいえます。この名簿の量がそのまま陣営の支持基盤の大きさになりますので、これだけでもいかに重要なものなのかがお分り頂けると思います。従って、普段から各陣営はこの名簿を増やす為に一生懸命努力を行っているのです。その活動とは、基本的には議員(または候補予定者)の陣営がいわゆる「後援会活動」と呼ばれている活動の中で、足を使ってコツコツと集め、時には血縁を辿って輪を広げていき、さらにそこから兄弟姉妹、親戚、知人を頼りに紹介を広げていきます。ここで重要なのが、実際にお目にかかる形でその名簿を固いものにしていくのが基本となります。自らの体力を使った名簿集めは最終的に支持基盤の拡充に繋がっていきますので、名簿の量を増やす事によって後援会の組織力や支持数そのものが大きくなる事になります。この事は国会議員だけではなく、市町村議会議員に至るすべての議員(または候補予定者)でも変わりません。
名簿の質を上げる
上述では「名簿の量」のお話をさせていただきましたが、質を高めるのも同等以上に大切です。名簿は保有しているだけでは意味がありません。選挙中の法定ハガキを出すだけになってしまいます。これでは余りにも勿体ありません。名簿の質の高め方ですが、定期的に何らかのアプローチをするのがポイントです。私の代議士秘書時代の経験で申しげますと、議員本人(または立候補予定者本人)が直接ご挨拶に伺うのが圧倒的に効果的であり、まずもってはこれを実践するべきだと思います。人は会いにきてくれて話をしたという経験が一番記憶に残りますので、難しい政策の話はしなくて良いのです。(逆に政策の話をしても殆どの人は興味が無いかもしれません…)それにプラスして、定期的に町会や学区、集落単位でミニ集会を開いて、そこで議員(または候補予定者)との意見交流の場を開くのもここでいうアプローチの一つです。さらには、活動レポートを作成して郵送したり、訪れた際に渡したりといった事もアプローチの一つになります。いずれにしろ、そうした何らかのアプローチを定期的に行わないと折角の名簿もただの宝の持ち腐れとなります。
会いにいける名簿を
郵送物を送るだけの名簿では相手の立候補予定者と差はつきません。それは相手の立候補予定者も同じ事をしているからです。しかも、保有名簿数は相手の方が多いかもしれません。相手と差をつけるには、そうそう簡単には「相手が真似出来ない事」がポイントです。その意味で折角ある保有名簿を個別訪問に活用して見ませんか?選挙区が広い参議院議員ならまだしも、それ以外の各級選挙においては「非常に効果の高い作戦」です。保有名簿を元にした後援会活動はスマートフォンがあれば簡単ですし、これは相手はなかなか真似できません。
※ここでいう個別訪問とは、保有名簿に基づいた選挙期間外における政治活動上の後援会拡大活動等を表しており、公職選挙法138条1項の戸別訪問(選挙に際し投票を依頼したり、または投票を得させないように依頼する目的)とは区別しております。
名簿管理は個人単位にするべきです
衆議院公設秘書として勤務していた間、選挙や後援会活動における名簿管理のあり方を追求していました。よくあるExcelや年賀状ソフトを利用した「世帯単位」が良いのか、あるいは「個人単位」が良いのか。結論から言うと、今後の選挙を踏まえると名簿管理は「個人単位」にするべきだと思います。その背景には、全国的に核家族と一人身世帯が増加している一方で、三世代世帯は減少の一途を辿っており、それに加え、近年のインターネット、特にスマートフォン普及による情報ソースの多様化により、以前に増して個人個人が自身の考えを持って投票行動をしている背景も影響します。
例えば、我が家では必ず選挙に行きますが、夫婦間ですら、どの候補者に投票したのか話をしません。個人の考えを互いに尊重しているからです。団塊世代である私と妻の両親も同様です。つまり、世帯丸ごと票が入る時代はとうの昔に終わっているのです。当たり前ですが、ボランティアも行事参加も党員も献金も「世帯」がしているのではなく「個人」がしています。それなのに世帯単位で情報管理するのは限界があると思いませんか。また世帯管理の場合、大抵は宛名ラベル出力を意識した作りになっていますが、名簿は郵便物を送る為だけにあるのでしょうか。名簿は票を出す為にあるのです。個別訪問に使わない手はありません。世帯単位の良い点はクラウドで解決しています。
一行に家族を追加していくパターン。左から順に、世帯代表者・配偶者・子供のお名前を、氏名・連名1・連名2・連名3といったセルに入力していると思いますが、その順番、本当に正しいのでしょうか?経験上、配偶者と子供が逆であったりする事は珍しくありません。その情報を元にした宛名ラベルも、当然連名の表記順がバラバラになります。しかも、手紙を受け取った人が宛名を見て違和感を感じた上で、その間違いを事務所に連絡して下さるのは1%未満。そもそも数千件の世帯を管理するにあたり、その家族の順番を正しく管理するのは無理があるのです。だからこそ、忙しい日々の中で時間を優先して割くべき作業ではないと思います。また、情報管理面でいうと、一つのセル、例えば備考欄を全員で共有しているので、誰の情報なのかが特定できなくなります。さらに、ボランティア・集会参加情報など「個人に由来した情報」を管理すると縦列が増えすぎてしまい、シート全体が見づらくなります。これが後援会名簿を世帯管理した場合の弱点です。もう一つの弱点は、市販の年賀状ソフトや選挙ソフトにも言えることですが、そもそも名簿を入力する前に、既に登録してある名簿か否かを調べないといけません。これを怠ると二重登録の原因になってしまうので、当たり前だと思っているかもしれませんが、入力する度に確認するその時間、実はトータルで見るとかなりの時間がかかっているのです。
スマート名簿は個人専用のページを作成して情報を管理します。また、自動で家族を見つけて家族としてまとめるので、入力者は表示された画面に従って世帯代表者を決めるだけで、その他のご家族の順番を決める必要はありません。もしご家族の誰かがお亡くなりになっても自動で次の世帯代表者を設定します。さらに、世帯代表者が誰かも分からないケースを想定して、「○○家御一同様」という表記で宛名ラベルを出力する事も可能です。
宛名ラベルシールの出力
世帯単位の宛名ラベル | ○○家御一同様も可能 |
〒100-0001 山田和男様 |
〒100-0001 山田家御一同様 |
個人単位で出力する事も可能です |
〒100-0001 山田和男様 |
〒100-0001 山田陽子様 |
〒100-0001 山田優子様 |
〒100-0001 山田健一様 |